

どーも!
土地なしサラリーマンの
くさおです
「日本でアボカドを育てることは可能なのか?」を真剣に考えるコラムの2回目です。
前回は露地栽培に的をしぼって検討するところまで進みました。
今回からアボカド栽培のキーワードを抽出して(Fig1)
ひとつずつ考察していきます。
アボカド露地栽培のポイント
①土地の最低気温を把握
②根がデリケート
③水源
④防風対策
⇒立地が重要!!
最低気温と耐寒温度
最初にして最大のハードルが最低気温です。
ここで前回出した図を惜しげもなく使い回します(Fig2)

熱帯地域で栽培されているイメージのあるアボカドですが
意外や意外、品種によっては-6℃まで耐えられるものがあります。
栽培環境の最低気温をチェックしてアボカド品種を選定しましょう。
メキシコ系の品種が耐寒性が高く、油分が多くクリーミーな食味だそうです。
ちなみに表記の耐寒温度はギリギリ死なないボーダーラインと考えています。
実際アボカドが瀕死の状態になる寒さでは木質化していない枝や花芽は枯れ、次のシーズンには実がなりません。
収穫まで考えると栽培環境は限界温度から+1,2℃は高めに見積もった方がいいと思います。
品種の選定
アボカドは一般的に開花タイプの異なる品種で受粉をおこないます。
開花タイプAは耐寒性が高い品種がありメキシコーラの-6.7℃
開花タイプBは私が調べた限り、最も高い耐寒性はベーコンも-3.9℃です(諸説あります)
他家受粉の方が結実性がよいので普通に栽培するなら最低気温-2,3℃あたりがボーダーラインかと思います。
しかしアボカドは効率は悪いですが、自家受粉(1品種のみでの結実)も可能です。
「スーパーで買ったアボカドの種を育てたら実がなった」という実例は全国で確認されております。これは1本の木でも日当たり・南北などの理由で開花のタイミングが異なるためだと思われます。
生産性は落ちますが、実際1本でも栽培することは可能なようです。そうするとメキシコ系で品種で-5℃が栽培環境の下限かと思います。
候補地の最低気温を確認
気象庁のホームページでお住いの地域の過去気象データを検索することができます。
厳冬期の最低気温をチェックして栽培可能な品種を選定しましょう。
ここで注意が必要なのはブラックスワンの存在です。
自然相手の減少では極端なハズレ年というものが存在します。
仮に例年の最低気温が-2,3℃であっても、10年に一度の寒波で-7℃なんでこともあり得ます(ありました)
せっかく軌道にのったころに全滅は泣ける話ですね。
また気象データはあくまで観測点での情報になります。
立地によって気温は大きく変わります。定植場所に裏山があったりすると夜間に冷気が流れ込んで、想像以上に冷え込むこともあります。
選定時に実測データを取っておくのが確実です。(スマート温度計便利です)
上表に表記されている耐寒温度は成木のものです。定植後の幼苗にはそこまでの耐寒性がないので最初の数年間はハズレ年を引かないように天に祈ったり、苗を覆ったり藁を巻いたり防寒対策が必要です。
まとめ
熱帯地域で栽培されているイメージのアボカドですが、品種によっては意外と耐寒性があります。
栽培する前に候補地の厳冬期の最低気温を調べて品種を選定することをおすすめしてます。
海外のサイトでは過去に大寒波でも生き延びたアボカドがあると紹介されていました。しかしアンオフィシャルな記録なので今回は確実性のあるデータに留めました。確かな情報あればそのあたりも更新していこうと思います。
次回は根の話です。
ではばーい!
出典:Avocado Botany and Commercial Cultivars Grown in California Chapter 2 - 37 Author: Gary S. Bender https://ucanr.edu/sites/alternativefruits/files/121263.pdf
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